社会
「なぜあなたはニッポンに来た」
という質問は外国人が一年に何万回に聞かれる。その質問の本質には「あなたの頭はおかしいではないか」の確証の予想が混じっている。
日本人はなぜか必死に知りたい事実なのだ。どこまで必死かというと、それに特化した番組の「YOUは何しに日本へ?」を制作しているほどだ。ずば抜けた人間の回答を期待しているのだが、上っ面をなでるとつまらないのがすぐに分かるはず。面白いストーリは見つかるまでにはほぼ一週間の成田空港での待機が必要なようだ。
「留学」、「家族」、「よりよい生活」じゃ済まない。
空から隕石が落ちて、日本人と体が入れ替わったとかはどう?
最低限で芸能人であって欲しいのだね。
なんで私はニッポンに来たのか、なんでありのままでまだここに存在しているのか、いまだに分からない。卒論に就職。社畜に定年。凡人に死。ぶっ飛ばない外人はただの外人だ。
だから、私はいつも胸を張って同じ回答をする。
「村西とおるの名作の男優だから日本に来た」